移動平均線(1から学ぶテクニカル指標)

2018年10月19日

 チェックポイント

チェックポイント!

トレンド系指標の代表格「移動平均線」です。
移動平均線は、’見ない人はいない”と言えるぐらい代表的なテクニカル指標ですので、移動平均線って何?特徴は?どの移動平均線を見ればいい?欠点は?見方は?といった基本を、ここでしっかり掴んでください。また、移動平均線の「価格が移動平均線に収束しやすい」という特徴は、他のテクニカル指標でも用いられますので、ここでしっかり覚えておいてください。そして、移動平均線の欠点はしっかり把握しておかないといけませんし、「価格は常に移動平均線に先行する」という特徴を把握した上で「移動平均線でトレンドを見る方法」を学んでください。

 

「1から学ぶテクニカル指標」とは?

 

動画で解説ーYouTubeー

[動画で解説] 移動平均線(1から学ぶテクニカル指標)

 

移動平均線とは

移動平均線(単純移動平均線)とは、過去の一定期間の終値の平均値を線グラフで表した線で、設定した期間の終値を合計して、その合計を期間で割って平均値を算出し描かれる線です。始値安値高値の平均を用いることもできますが、終値で算出するのが一般的です。移動平均線と言えば、一般的には「単純移動平均線」のことを指します。

 

例)25日移動平均線の場合
25日移動平均線は、過去25日分の価格の終値を合計して、その合計を25(期間)で割って算出したもので、25日間の価格の平均値を表しています。

 

移動平均線の特徴

移動平均線は、価格(終値)の平均値を線で結んだものですので、価格の細かな動きに左右されにくく、価格の動向を鳥瞰的に捉えやすい特徴があります。一般的には価格のトレンドや価格の転換点を見る際に使われ、売買のタイミングを探る際にも使われることが多いです。また、移動平均線は一定期間の価格(終値)の平均値の線であるため、価格が移動平均線から乖離してしまっても、その後、価格は移動平均線に収束しやすいという特徴があります。というのも、それは、一定程度、投資家心理が働くことが原因と考えられます。「一定期間の平均値」ということは、一定期間における価格のフェアバリュー(適正価格)ということを意味します。ゆえに、価格が移動平均線より上にあれば、フェアバリューより高い位置にあるということなので、売りたい人が増えて価格は下がりやすくなり、価格が移動平均線より下にあれば、フェアバリューより低い位置にあるということなので、買いたい人が増えて価格は上がりやすくなる特徴があります。要するに、価格は移動平均線の位置にいることが心地いいと言えます。そういった移動平均線の特徴を踏まえた上で、移動平均線を投資に役立てるのが一般的な移動平均線の使い方です。

 

移動平均線の欠点

移動平均線は、トレンド系指標ですので、トレンドがハッキリしている相場では、効果的にトレンドを識別する手段となりますが、ボックス相場(レンジ相場)持ち合い(保ち合い)相場ではだましが多くなるのが欠点と言えます。

 

よく使われる移動平均線

移動平均線はトレードツールによって自分で期間を設定して表示することができるので、オリジナルの期間を設定するトレーダーの方もいますが、ここでは代表的な移動平均線の種類について紹介します。
独自の理論や個別銘柄の特性によって移動平均線の期間を変える方法もありますが、基本的には代表的な移動平均線を見ておくことが大切です。価格は投資家の需給で動き、投資家のコンセンサスの結果が現在の価格となりますので、より多くの投資家が見ているであろう移動平均線を見ておくのがベターです。よって、まずは代表的な移動平均線を見でおきましょう。

 代表的な移動平均線

日足チャートの場合

  • 5日移動平均線:1週間の平均線
  • 25日移動平均線:1カ月の平均線
  • 75日移動平均線:3カ月の平均線

株式市場は土日は休みなので取引されるのは1週間で5営業日となります。よって、株式市場では「1週間」を「5日」で考えます。

 

週足チャートの場合

  • 13週移動平均線:3カ月の平均線
  • 26週移動平均線:半年の平均線
  • 52週移動平均線:1年の平均線

見ておきたい移動平均線の種類

代表的な移動平均線に加えて、よく使われる移動平均線を紹介します。

  • 10日移動平均線
  • 50日移動平均線
  • 100日移動平均線
  • 200日移動平均線

10日移動平均線は、2週間の平均線になりますが、5日移動平均線と併用して、短期のトレンドを見る際に使うのがオススメです。具体的な使い方は、charTrade(トレード手法)の「10日移動平均線を使った仕掛けのタイミング」のページを参照してください。
50日移動平均線や100日移動平均線は海外投資家がよく使う傾向にあります。海外投資家比率の高い日本株でも重要視されます。200日移動平均線は、概ね1年の移動平均線で、1年間の平均コストを示す移動平均線であるため、重要視されます(「200日移動平均線とは(信頼度の高い移動平均線?)」を参照してください)。

 

短期線・中期線・長期線

それでは、移動平均線の見方について解説していきます。ここでは日足チャートに絞って解説します(考え方は、週足でも月足でも同じです)。

日足チャートでは、5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線が代表的に見られる移動平均線で、5日移動平均線は「短期線」、25日移動平均線は「中期線」、75日移動平均線は「長期線」と言われます。

移動平均線は、長い期間の平均値である方が信頼度は上がりますので、長期線が一番信頼のおける移動平均線となります。ここでは75日移動平均線を長期線としているので、日足チャートでは75日移動平均線が一番信頼できる移動平均線となります。75日移動平均線は、比較的意識されやすい移動平均線です。というのも、75日移動平均線は3カ月の平均線だからです。株式市場は3カ月単位で相場を考えるのに適しています(外部要因を除けば)。というのも、企業決算が四半期ごとに発表されるからです。企業決算を先読みする形で、もしくは、企業決算を受けて相場は作られやすいので、75日移動平均線は自然と重要視されるのです。ただし、75日移動平均線は3カ月の平均線であるため、反応が鈍い移動平均線です。逆に短期線である5日移動平均線は、信頼度は劣りますが、価格への反応が早い移動平均線ですので、それぞれの特徴をまず掴んでおくことが大切です。

移動平均線は、どの移動平均線をアテにして買い時と売り時を判断すればいいのかが重要となります。移動平均線は万全なものではないため、日足チャートでは、長期線である75日移動平均線が信頼度が高い移動平均線と先述しましたが、実際の相場では75日移動平均線がそこまで信頼のおける移動平均線かと言えばそうは言えないことも多いです。

そこでより精度を上げるには、もっと長期の移動平均線を使うことをオススメします。代表的な移動平均線から外れますが、できれば100日移動平均線や、200日移動平均線を見ることをオススメします。100日移動平均線や200日移動平均線は、日本の個人投資家には馴染みが薄い移動平均線ですが、海外投資家は、主に50日移動平均線、100日移動平均線、200日移動平均線を見ることが多いので、積極的に見ておきたい移動平均線です。日本株の保有比率は海外投資家が30%程度を占めますし、東証一部銘柄の保有比率で言えば60%以上は海外投資家ですので、むしろ見ない方がおかしい移動平均線です。移動平均線を使った売買の精度を上げるなら、それらの移動平均線は使うべきです。

 

移動平均線でトレンドを見る方法

移動平均線で価格のトレンドを見るには、短期線や中期線、長期線が、右肩上がりなのか、右肩下がりなのかを見て判断します。これらの移動平均線が右肩上がりであれば上昇トレンド、右肩下がりであれば下降トレンドとなります。また、それらは細かく細分化して見ることもあります。例えば、短期線だけ右肩下がりで、中期線と長期線が右肩上がりであれば、短期的には下降トレンドで、中長期的には上昇トレンドが続いている、と見ます。移動平均線で価格のトレンドを確認するには、そういった見方をするのが一般的です。

ただし、ここで気を付けておかなければならないのは、「価格は常に移動平均線に先行する」ということです。要するに、価格はすでに下降トレンド入りしているのに、移動平均線はまだ上昇トレンドを示している、といったことが起こるのです。移動平均線は、一定期間における価格の平均値を線で結んだ線ですので、その現象は仕方のないものです。価格が短期的な調整で下落しているだけなのか、本格的に下降トレンドに入ったかは、その銘柄固有の問題や外部環境を精査した上で判断しなければなりません。そこが移動平均線でトレンドをはかる際に難点となる所です。

 

移動平均線と価格の関係

移動平均線と価格の動き方は、まず価格が動き、次に株価を追いかける形で短期線が動き、次にそれを追う形で中期線、長期線の順で動きます。価格が上昇トレンドにある時は、一番上に価格、その下に短期線、その下に中期線、最後に長期線という順で並びます。上昇トレンドが継続している場合はこの順は変わりませんので、上昇トレンドを形成している銘柄を見つける際は覚えておきましょう。一方、価格が下降トレンドにある時は、上昇トレンドとは逆の位置関係となります。

さて、重要となるのは上昇トレンドや下降トレンドが崩れた場合です。上昇トレンドや下降トレンドが崩れた場合は、先述の位置関係が崩れることになりますので、その際は相場が転換したと捉えます。

価格は、移動平均線に先行して動きますので、移動平均線の方向は価格のトレンドに遅行します。図の場合では、価格は上昇していますが、中期線と長期線は、まだ右肩下がりの下降トレンドを示しています。この場合、売りの調整で、短期的に価格が上昇しているだけと見ることもできますが、価格が長期線を上抜いているため、上昇トレンド入りした可能性も出てきます。銘柄固有の問題や外部環境を精査してみないとわかりませんが、価格と移動平均線の位置関係からすれば、チャート上では下降トレンドは一旦崩れたと見ることができます。上昇トレンドの初動と見ることもできますし、短期線が中期線・長期線とクロスしているのも気になります。移動平均線は期間の短い線と長い線がクロスすると大きな意味を持つと言われています(「ゴールデンクロス・デッドクロスーだましと信頼度の高い見方ー」を参照してください)。

 



 

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