金利とは
金利(きんり)とは、預金や資金に対する利子や利息の割合のことです。言い方を変えれば「お金の貸借料(使用料)」で、言わば「お金のレンタル料」です。
金利は、お金のレンタル料ですので、お金に対する需要と供給によってその水準は上下に動きます。お金に対する需要と供給に影響を与える要因は様々ありますが、大きな要因としては、
- 景気
- 物価
- 為替相場
- 株価
がありますが、ここでは「為替相場と金利」の関係について見ていきます。
外国為替とは
外国為替とは、異なる通貨を交換することです。例えば、日本の通貨である「円」と、米国の通貨である「ドル(米ドル)」を交換することをいいます。
円高とは・円安とは
例えば、対ドルの場合、1ドル100円から1ドル80円に為替レート(異なる通貨を交換する時の値段)が動いたとしたら、これは円高となります。逆に、1ドル100円から1ドル120円に為替レートが動いたとしたら、これは円安となります。
さて、「為替相場と金利」の関係については、”為替相場の動きによる金利への影響”と、”金利の動きによる為替相場への影響”の2つを見ておいた方がいいので、この2つを見ていきます。
為替相場の動きによる金利への影響
日本は資源が乏しいため、外国からの資源を輸入しています。資源を輸入する際は外貨建ての決済を行っています。
外貨建てとは、資産価値を外貨(自国以外の外国のお金)で表示し、決済も外貨で行うことです。すなわち、購入するものの価格が外貨で決められていて、外貨で支払いを行うことです。外貨がドルであれば「ドル建て」といいます。
ドル建ての決済を紹介すると、例えば、米国のチョコレートが1つ1ドルであったとします。日本でこのチョコレートを輸入する場合、1ドルが必要となりますので、円をドルに交換してからドルで支払うことになります。
こういった外貨建ての決済は、外国為替の相場の影響を大きく受けます。
例えば、為替レートが1ドル90円の時、米国のチョコレートは90円出せば輸入できていたのに、1ドル120円の時、米国のチョコレートは120円出さなければ輸入できません。円安になれば、輸入するものの価格が全て上がります。
これらは物価に大きく影響してきます。
円安になれば、輸入するものの物価が上がり、日本国内の物価も上がります。「物価と金利(金利を動かす要因②)」で解説しましたが、物価の上昇は金利の上昇を招きやすくなります。逆に、円高になれば物価の下落と金利の低下を招きやすくなります。
金融商品の観点からも見ておくと、
円安になれば、海外の投資家は円建てで持っている日本の金融商品を売ろうとします。ここではその金融商品を債券としますが、債券を売る動きが強まります。債券を売る動きが強まれば、債券価格は低下し、債券の利回りは上昇します。金利は金利体系からつられますので、この動きにより他の金利も上昇しやすくなります。
逆に円高になれば、日本の投資家はドル建てで持っている金融商品を売ろうとします。ここではその金融商品を債券としますが、債券を売ってドルを円に換えて、日本の債券を買おうという動きが増えます。また、米国の投資家もドルを円に換えて、債券を買おうという動きが増えます。そのため、債券価格は上昇し、債券の利回りは低下。他の金利も低下しやすくなります。
つまり、為替相場が上昇すれば、その通貨の金利は低下、為替相場が下落すれば、その通貨の金利は上昇するのが基本です。
すなわち、円安は金利上昇要因、円高は金利低下要因となります。
さて”為替相場の動きによる金利への影響”を見てみましたが、金利の動きは為替相場にどのような影響を与えるのでしょうか。
金利の動きによる為替相場への影響
もし、日本の金利が上昇した場合、海外の投資家にとっては金利が高いのは有利なので日本の債券を買いたいという意欲が強まります。その際、外国為替市場でドルを売って円を買って債券を買う動きが増えるため、円は強くなり円高になります。
基本的には、金利の高い国に資金は集まりやすいです。
例えば、定期預金をしたいと思っている人がいるとします。日本の銀行の定期預金の金利が2%として、米国の銀行の定期預金の金利が1%とすれば、外国為替相場の影響を抜きにして考えるなら、魅力的なのは日本です。この場合、ドルを円に換える動きが強まりやすいので、円高になりやすいです。逆に米国の金利の方が魅力的であれば、円安になりやすいです。
すなわち、日本の金利上昇は円高要因、金利低下は円安要因となります。
ただし、これらは理論上の話です。為替相場や金利はこの他にも様々な影響を受けるため、あくまで判断の一基準として捉えておく必要があります。また、相場は先行きの予測の段階で動くということも注意して見ておく必要があります。