カタルーニャ州の独立運動とは(影響と解説)

 

カタルーニャ州の独立運動

2017年10月1日、スペインのカタルーニャ州で、スペインからの独立を問う住民投票が行われました。カタルーニャ州政府の発表によれば、この住民投票で約90%が独立に賛成、2017年10月27日にカタルーニャ州議会が独立を宣言しました。これに対しスペイン政府は2017年10月1日の住民投票で警官隊を投票所に送って投票を妨害、カタルーニャ州議会の独立宣言の後には住民投票は憲法違反で無効であるとし、独立を阻止するためにカタルーニャ州の自治権を停止することを表明しました。

 

カタルーニャ州とは

カタルーニャ州とは、スペインの北東部に位置し、スペインの国土面積の6%、人口の16%を占めています(スペイン全体の人口は4650万人でカタルーニャ州は約750万人)。独自の文化があり、カタルーニャ語を持ち、民族色が強いのが特徴です。現在、カタルーニャ州は独自の議会と政府を持っており、警察や教育においても独自の権限を持っています。ゆえに、カタルーニャ州は「カタルーニャ自治州」と呼ばれています。

 

独立運動の背景と理由

カタルーニャ州は、スペイン政府とたびたび衝突してきました。カタルーニャ州は地中海に面した交通の要衝で中世にはスペインに属していない時期もありました。もともとスペインとは別々の国でしたが、1714年にスペインに占領されました。その頃から自分たちはスペインではないと思う人が常にいましたが、1939年から1975年になると、当時権力を握っていたスペインの独裁者フランコから激しい弾圧を受け、カタルーニャ語の使用は禁止され、その恨みは根強く残っているとされています。その後、フランコ政権がなくなり、民主化が進んで自治権が回復。これをさらに拡大させようとカタルーニャ州は自治憲章(州の憲法)を作りましたが、2010年、スペイン政府はそれは憲法違反であるとしました。これに対しカタルーニャ州は、州の独自性を強めるには、自治だけでは限界があるとして独立への動きが進みました。

2017年にカタルーニャ州の独立への動きは活性化したのは、スペイン政府の首相がスペインをさらに統一的にするために、カタルーニャ州の権限を縮小しようとし、カタルーニャ州の独立派がこれに猛反発したことが大きな理由となっています。加えて、独自の文化を尊重する歴史的な背景と、カタルーニャ州の豊かな富が他の州に使われているという不公平感が背景にあります。

カタルーニャ州は観光客が非常に多いです。州都のバルセロナはマドリードに次ぐスペイン第2の都市で、サグラダファミリアという有名が教会があり、国内屈指といえるほどビジネスが盛んで産業が発展していることから富がたくさんあります。これをスペイン政府に税金として多く取られて他州への投資に使われているという不公平感があるため、独立すればより豊かな生活ができるのではないかと思う方が多いようです。一方、スペイン政府としてはお金持ちの州がなくなってしまえば困ってしまうので、それを阻止したい動きを見せています。

 

EUに入れる?入れない?

カタルーニャ州はスペインから独立したいものの、スペインから独立した後もEUにいたいという思いがあります。ただ、スペインではカタルーニャ州だけでなくバスク地方でも独立の動きがありますし、EUがこれを認めてしまうと、スペインだけでなくEUの他の国でも独立の動きが活性化してバラバラになってしまう懸念があるため、EU全体ではカタルーニャ州の独立には反対しています。

カタルーニャ州は、独立してEUに入りたい考えですが、EUに加盟するためにはEU加盟国全ての承認が必要となり、スペインの承認はまず得られないと考えられるため、EUにはまず入れないとされています。



 

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