中東情勢と原油価格をわかりやすく簡単に

石油施設生産停止

2019年9月14日、サウジアラビアのサウジアラムコの石油施設が無人機の攻撃を受けて生産停止に追い込まれ、原油価格が急騰しました。当初、正常レベルの生産体制に戻るまでには数カ月かかるとされていましたが、2019年9月17日、ロイター通信が2-3週間程度で完全回復すると報じて原油価格は下がりましたが、当ページではそもそも中東情勢がどうなっているのかについて簡単にわかりやすく書いてみようかなと思います。筆者がこれまでの報道で把握していることだけですが。

中東

中東の地図です。

中東のイラン・イラク・シリアは「シーア派地帯」です。
イランはシーア派の大国で、シリアに関与したり、イラクのシーア派と組んだりして勢力を拡大しています。

1979年のイラン革命以来、イランとイスラエルはお互いを脅威に思っています。イランは、イスラエルの北にあるレバノンのヒズボラという組織を支援しているのですが、このヒズボラはイスラエルと対立しており、2019年9月もイスラエルと交戦しています。

 

一方、イスラエルは米国のオバマ大統領とは仲が悪かったですが、トランプ大統領になって関係が改善しました。トランプ大統領はイランに対して厳しく、イスラエル、そしてサウジアラビアを支援しています。

イスラエルとサウジアラビアは関係が薄く国交もない関係ですが、トランプ大統領が間に入ってイスラエルとサウジアラビアと組んでイランを・・・って可能性が指摘されています。

さて、米国ですが、2015年の「イラン核合意(イランが核を開発せず、査察も受け入れるという合意)」に参加していましたが、トランプ大統領になってから離脱し、イランへの経済制裁を再開しました。トランプ大統領がなぜイランに対して厳しいのかというと、選挙対策が考えられます。選挙対策でユダヤ票は大きいので、ユダヤ人の国家イスラエルを支援してユダヤ票を獲得したいという狙いがあると見られています。

原油

そういった状況を踏まえてですが、今回のサウジアラビアの石油施設への攻撃による生産停止ですが、当初発表では日量570万バレル生産停止と報じられました。これは世界供給量の6%弱、OPECの余剰生産能力(500万バレル)も超えた水準です。世界的に供給不足になることから原油が急騰した形です。

ホルムズ海峡

そして、より問題視されていることがあります。それは、サウジアラビアはこの攻撃によって経済的ダメージを受けましたので、その対応をすると考えられ、攻撃したのが誰かわかりませんが、もしサウジアラビアがどこかと対立した場合、一番懸念されるのが「ホルムズ海峡の封鎖」です。

 

ホルムズ海峡は紫色の丸印の所です。
このホルムズ海峡は、1日に2000万バレルの原油が通過しています。世界供給量の1/5の規模ですので、現実化すれば原油価格は急騰すると見られます。報道では、サウジアラビアの石油施設への攻撃を巡り、イランは自国の関与について触れていません。また、サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相も「攻撃はだれが実行したかわからない」と述べています。

 



 

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