株価と金利(金利を動かす要因④)

 

 

金利とは

金利(きんり)とは、預金や資金に対する利子や利息の割合のことです。言い方を変えれば「お金の貸借料(使用料)」で、言わば「お金のレンタル料」です。

金利は、お金のレンタル料ですので、お金に対する需要供給によってその水準は上下に動きます。お金に対する需要と供給に影響を与える要因は様々ありますが、大きな要因としては、

  • 景気
  • 物価
  • 為替相場
  • 株価

がありますが、ここでは「株価と金利」の関係について見ていきます。

 

 

株価と金利

株価と金利を見る場合、景気中央銀行、政府の動きも合わせて見ておく必要があります。

 

 

景気が悪くなった場合

例えば、景気が悪くなってきた場合、経済活動が活発に行われなくなります。景気とは、モノやサービスの売買や取引などの経済活動の状況のことです。経済活動が活発であれば「景気がいい(好景気・好況)」といい、経済活動が活発に行われない悪循環のことを「景気が悪い(不景気・不況)」といいます。

景気が悪くなってきたら、人々は将来的な収入に不安を抱えるため、貯蓄していこうとする動きが増え、消費が鈍化します。経済活動が活発に行われず、消費が鈍化すればお金の循環が悪くなり、景気の回復は見込めなくなります。

そうなれば、経済は縮小してしまいますので、中央銀行や政府は対策を講じます。

中央銀行は、金融政策によって景気を持ち上げようとします。主に、金利(政策金利)を引き下げる政策をとります。これを「利下げ」といいますが、金利が引き下がると、企業は借り入れの金利を支払う負担が減り、新たな設備投資にも資金を振り向けやすくなります。また、預金金利も低下しますので、預金による利息収入が減り、その資金が利回りのいい運用に回されやすくなります。すなわち、預金の資金が相対的に減ることが見込まれますので、その資金が投資や消費に向きやすくなります。資金の一部は株式への投資に向かいやすくなるため、株価の上昇要因となります。

また、政府も景気をよくするために、減税や公共事業拡大などの財政政策を打ち出しやすくなります。減税されれば、個人や企業は手元資金が増えますし、公共事業拡大で収入も見込めるため、消費をしやすくなり、お金が循環しやすくなることを期待できます。また、公共事業に関わる企業の業績は良くなりやすく、その企業への投資は魅力的となるため、株価上昇要因になります。

 

 

景気が良くなった場合

一方、景気が良くなってそれが続けば、経済活動は活発でいい面が多く見えますが、物価は上昇します。緩やかな物価上昇は経済にとっていいとされていますが、急激な物価上昇は、その国の通貨価値を急落させて信用を急落させる恐れがあります。そのため、中央銀行は、それを抑制するために金融引き締めを行います。主に、金利(政策金利)を引き上げる政策をとります。これを「利上げ」といいますが、金利が上がると、景気の底打ちから上昇過程において活発になっていた株式への投資資金が、元本が減らず利回りが期待できる金融商品へとシフトされていきます。預金金利も上がりますので、預金も増えやすくなります。株式は元本が減る可能性が高いので、金利が上昇すれば魅力は低下します。また、利下げ時とは逆の動きで、消費の鈍化、景気の悪化、企業業績の悪化が見込まれますので、株価下落要因となります。

すなわち、中央銀行や政府の動き、金利の動向を見ながら、景気が底を打つ局面では株価の上昇に期待が持て、景気拡大局面では株価の上昇が見込まれ、景気がよくなって物価が上がれば株価の下落が予想でき、景気が縮小する局面では株価の下落が見込まれる、というのが一般的な見方です。

ただし、これらは理論上の話です。株価や金利はこの他にも様々な影響を受けるため、あくまで判断の一基準として捉えておく必要があります。

 

 

長期金利上昇による影響

金利の上昇は、お金の借り手にとっては大きな痛手となります。長期金利が上昇すれば、国債を大量に発行している政府にとっては国債の利払い負担が膨らみますし、例えば、債券を保有している銀行も評価損を負うことになります。企業にとっても、日本の場合、長期金利が1%上昇すれば設備投資を1-3%下げるとの試算がありますし、鉱工業生産を1%前後押し下げるとの試算もあります。また、家計にとっては変動金利型ローンや短期固定金利ローンのコストが増えます。

また、違った視点からも景気と金利と株価を見ることができます。

景気が回復基調にある場合は、国債の金利は上がってくるものです。国債の金利が上がってくるということは、国債が売られているということです。

景気が回復している局面ということは、経済が成長しているということなので、投資家はリスクを取りに行きたくなります。リスクをとりに行く状態を「リスクオン」というのですが、投資家はリスクオンの状態の時、より儲けるために安全性重視の国債を売って、価格変動の大きな株式などリスク資産に資金を傾けていきます。よって、景気回復局面では、国債は売られやすくなり金利は上昇します。逆に、景気後退局面では、株式などリスク資産を持っていては危ないので、株式を売って安全性重視の国債を買いにいきます。よって、景気後退局面では国債は買われやすくなり金利は低下します。

ただし、これとは逆のことが言えることもあります。

住宅ローンや自動車ローンは、長期金利に連動するので、長期金利が低下すれば住宅ローンや自動車ローンも低下します。ローンの金利が低下すれば、住宅や自動車は買われやすくなり、それに伴い株式が買われやすくなります。逆に、長期金利が上昇すれば、住宅ローンや自動車ローンも上昇します。ローンの金利が上昇すれば、住宅や自動車は売られやすくなり、それに伴い株式が売られやすくなるのです。また、長期金利が上昇する局面というのは、株式市場では高配当銘柄が売られやすくなることもあります。高配当銘柄は利回りのいい配当が目的で買われることが多いです。その利回りより長期金利の利回りが良いとなれば、投資家は安全性の高い国債の方へ資金を向けやすくなり、高配当銘柄から国債へ資金がシフトしやすくなります。



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