名目金利
名目金利とは、インフレ率(物価上昇率)を加味していない金利のことです。名目金利は短期と長期のものがあり、短期のものを「名目短期金利」、長期のものを「名目長期金利」といいます。
名目長期金利は、実質長期金利に長期の期待インフレ率を足して計算されます。
名目長期金利=実質長期金利+長期の期待インフレ率
長期の期待インフレ率は、経済の需給ギャップによって決定されます。需給ギャップは「GDPギャップ」とも呼ばれますが、人が買いたいと思うモノ・サービスの総量である需要と、労働力や生産設備などの供給の差のことです。これは潜在的なインフレ圧力と同じであると捉えられています。
需給ギャップが大きいということは、供給が多いということなのでインフレ圧力が低いことを示し、期待インフレ率は低下します。需給ギャップが小さいということは需要が多いということなのでインフレ圧力が高く、期待インフレ率は上昇します。
また、実質長期金利の上昇や下落はタイミングにズレがあったとしても景気の循環とほぼ一致するので、名目長期金利は、
名目長期金利=景気の強さ+需給ギャップの大きさ
で示すこともできます。