景気と金利(金利を動かす要因①)

 

 

金利とは

金利(きんり)とは、預金や資金に対する利子や利息の割合のことです。言い方を変えれば「お金の貸借料(使用料)」で、言わば「お金のレンタル料」です。

金利は、お金のレンタル料ですので、お金に対する需要供給によってその水準は上下に動きます。お金に対する需要と供給に影響を与える要因は様々ありますが、大きな要因としては、

  • 景気
  • 物価
  • 為替相場
  • 株価

がありますが、ここでは「景気と金利」の関係について見ていきます。

 

 

景気とは

景気とは、モノやサービスの売買や取引などの経済活動の状況のことです。経済活動が活発であれば「景気がいい(好景気・好況)」といい、経済活動が活発に行われない悪循環のことを「景気が悪い(不景気・不況)」といいます。

 

 

景気と金利

景気がいいということは、民間企業の経済活動が活発であるため、活発な生産や販売活動をするために、資金への需要が高まりやすくなります。つまり、お金への需要が高まりやすくなります。金利はお金のレンタル料ですので、お金への需要が高まれば金利は上昇します。
個人の場合であれば、景気が良ければ消費が活発になります。個人消費の分野では住宅購入が大きい所で、住宅を購入する場合は、銀行から借入をする、つまりローンを組むことがほとんどです。ローンを組む人が増えるということは、お金への需要が高まるということですので、金利(貸出金利)は上昇します。また、住宅を購入するために預金をおろすことが多くなるので、銀行としては預金金利を引上げて預金者を増やそうとするので、預金金利も上昇します。

一方、景気が悪いということは、民間の経済活動が活発に行われていませんので、資金への需要が鈍り、金利は低下します。個人の消費も鈍化し、金利の低下に拍車をかけやすくなります。

景気の悪化による金利の低下は、まず民間企業の銀行借り入れの減少から始まりやすい、またはそれまでの借り入れの返済を積極的に行うことから始まりやすい傾向があります。そして、銀行は、企業の借り入れの減少や借り入れの返済、また、お金を借りたい企業が減ることによって資金がたまりやすくなります。銀行は貸し出しの金利を得ることができなくなりますので、貸し出しの金利を低下させ、さらに、溜まった資金を手元に置いておいても収益になりませんので、運用に回しやすくなります。その際、安全資産とされている債券での運用が活発になりやすく、債券への買い需要が高まります。債券への買いが相対的に高まれば、債券の価格は上がり、利回りは低下します。景気が悪いと、個人の消費も鈍化してしまうので、企業も生産や販売の資金で債券を買いやすくなるため、債券の利回りはさらに低下しやすくなります。このようにして、国内の金利は全体的に低下していきます。

 

さて、これらは「景気が金利に与える影響」についての説明です。

一方で、「金利が景気に与える影響」もあります。

「金利が景気に与える影響」を考える場合に、その代表となるのは「中央銀行による金融政策」です。

 

 

中央銀行による金融政策

日本の中央銀行は、日本銀行です。日本銀行は、政策金利調整して短期金利の水準を調整しています。政策金利とは、市中金利(市場の金利)実体経済にあった水準に誘導するために決める基準金利で、「無担保コール翌日物金利」が日本の政策金利となっています。政策金利は金利の大もとのようなもので、政策金利の上下に追随して市場の金利も上下しやすいです。

と、少しわかりにくいので、短期金利と「無担保コール翌日物金利」についての解説を入れておきます。

 

短期金利(たんききんり)とは、1年未満のお金を貸し借りする際に適用される金利ですが、長期金利が長期の資金の需給によって変動するのに対し、短期金利は金融政策をつかさどる中央銀行によって調されています。すなわち、その時点の金融政策の影響を強く受ける金利なのです。日本であれば、日本銀行が「無担保コール翌日物金利」を調節して短期金利を誘導しています。

民間の銀行は、普段あまりお金を持っていません。お金を金庫に置いていても利益が出ませんので、民間の銀行はお客さんに預金してもらったお金を貸し出して運用してます。ですので、大口の出金があった場合などは、お金がないので他の民間の銀行にお金を貸してもらってます。この民間の銀行同士のお金の貸し借りの市場を「コール市場」と言います。

コール市場でお金を貸し借りする際、民間の銀行同士は信用がありますし、概ね1日だけの短い期間の貸し借りですので、コール市場では金利はとりますが担保はとりません。よって、これを「無担保コール翌日物」といい、このお金の貸し借りの際に付く金利を「無担保コール翌日物金利」といいます。この「無担保コール翌日物」に日本銀行が介入して短期金利を誘導しています。

 

さて、景気は、好景気と不景気を繰り返しますが、不景気が続けば経済活動が活発に行われず活力がなくなります。そこで、日本銀行は政策金利を調節して景気を持ち上げようとします。

例えば、不景気の際は、日本銀行は政策金利を引き下げます。これに追随して市中金利も低下することが期待できますので、例えば、預金の場合であれば、預金をしていても金利が低く、利息がほとんど得られないので、預金をしていても仕方がない、だったら使おうと思う人が増えて消費が活発になり、お金の流れが活発になって景気がよくなっていく、といった具合です。日本の場合、実際そう上手くはいっていませんが・・・。

他方、企業にとっては、借り入れの金利が低下します。日本企業は銀行借り入れのシェアが高い傾向がありますので、金利の低下は企業活動を刺激する効果も見込まれます。借り入れをしていない企業にとっても、金利が低ければ設備投資する負担が軽減されますので、メリットと言えます。このように、不景気の際は金利を低下させることによって景気を刺激することができます。

一方、金利を低いままにしておくと、インフレの懸念が出てきます。資金需要が旺盛になり過ぎてしまうため、その場合、日本銀行はそれを抑制するために政策金利を引上げて、市中金利を上げようとします。銀行の貸し出し金利が上がるため、企業の生産・販売活動は鈍化・・・金利の低下とは逆の流れになります。日本のみならず、どの国でも金利の変動によって、好景気と不景気が循環するのが常です。

 

ただし、これらは理論上の話です。金利はこの他にも様々な影響を受けるため、あくまで判断の一基準として捉えておく必要があります。

 

 

経済指標

景気に関する経済指標は様々ありますが、代表的なものとして、内閣府が毎月公表している「景気動向指数」があります。また、経済活動を総合的に示すのは「GDP統計」です。GDPの伸び率を実質値で示したものが「実質経済成長率」ですが、これが最も重要で、実質経済成長率が市場予想より高ければ金利上昇要因、低ければ金利低下要因となりやすいです。



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