終値とは
終値(おわりね)とは、大引け(その日の最後の取引)でついた値段のことです。終値と始値・安値・高値の4つを総称して「4本値」といいます。
ローソク足
過去の価格の値動きをグラフ化したものを「チャート」と言いますが、チャートを分析する際、時間の経過にともなう価格の値動きを視覚的に表示した「ローソク足」というものが最もよく使われます。
ローソク足とは、図のような形状のものですが、ローソク足は箱形の部分を「実体」といい、箱の上部と下部についている線を「ヒゲ」といいます。ローソク足は、実体とヒゲによってその日の始値・安値・高値・終値(4本値)を表しています。
この始値・安値・高値・終値の「4本値」は、一日の値動きにおける「端の価格」を示しています。始値と終値は、その日の”時間の両端”(の価格)を示しており、安値と高値は、その日の”価格の両端”を示しています。
終値はなぜ重要なのか?
始値・安値・高値・終値の「4本値」の中で、終値は最も重要な価格として捉えられており、投資判断は終値で判断されることが多いです。それにはいくつかの理由があります。
まず、ザラバ(寄付きと大引けの間に行われる取引)の取引では、超短期の売買・思惑にって価格は形成されていきますが、終値はそれらの影響も考慮して、すべての投資家の買いと売りを織り込んだ価格となります。”ギャン理論”で知られているウィリアム・ディルバート・ギャン(W・D ギャン)氏は、「ザラバ中に価格がどれだけ高くても安くても関係はなく、終値こそが損益の基準だ」と述べており、損益を評価するにあたって洗い替えを考えるには終値しか基準にならないとしています。
また、例えば、高値というのは、その日の取引において、その価格は割高だと判断して売りを入れる人の方が多かったことを示しており、安値というのは、その日の取引において、その価格は割安だと判断して買いを入れる人の方が多かったことを示しています。これらはつまり、その価格を投資家は認めなかったことを示していますので、これらが洗い替えの基準とはなりにくいと言えます。
加えて、終値は”時間の両端”の価格で、翌日の取引に最も近い価格でもあるため、将来の価格の動向を考えるのに最も近い過去の価格を重要視するという点からも、終値が最も重要視される理由です。
終値より重要視されやすくなるもの
ただし、終値の重要性が薄くなることもあります。
これまでの説明は「日足」を例にして説明しましたが、日足が集まって週足が形成され、月足が形成されていきます。例えば、週足の場合、月曜日から金曜日までの日足の個々の終値は相対的に重要ではなく、その週の4本値、すなわち、その週の”時間の両端”(の価格)と、”価格の両端”がクローズアップされ、他の週と比べて高値や安値はどこまで伸びたか、などがフューチャーされやすくなってきます。それが例えば、新高値や新安値であれば、より高値や安値が意識されやすくなります。