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新FRB議長候補の概要とFRB理事について

FRB理事について

FOMCの投票メンバーはFRB理事7人と連銀総裁ですが、2017年10月上旬時点において、FOMCの投票メンバーとなっているFRB理事は5人(2席は空席)です。

  • イエレン議長
  • フィッシャー副議長
  • パウエルFRB理事
  • ブレイナードFRB理事
  • クオールズ氏(まだ承認されていません)
  • 空席
  • 空席

このうち、クオールズ氏はまだ議会から承認されておらず、フィッシャー氏は2017年10月13日に辞任、イエレン氏も2018年2月が議長任期となっており今後が不明な状況です。ゆえに、現FRB理事は2人しか残らない可能性があり、今後の政策不明、米国のFF金利政策金利)の見通しも今後ガラッと変わる可能性があります。

クオールズ氏は2017年10月中にも議会に承認される見通しがあり、加えて、オッティング氏も同時期に承認される見通しとなっています。この2人は金融規制緩和に賛成で就任後に着手していくのではとの観測があります。

新FRB議長候補

トランプ大統領は、2017年9月29日に2,3週間以内に次期FRB議長を指名すると発言しました。現在、有力候補となっているのは、イエレン氏、パウエル氏、ウォーシュ氏、コーン氏の4名ですが、コーン氏はNEC委員長でトランプ大統領の税制改革に必要とされておりホワイトハウスに残る可能性が高いと思いますので、他の3名の概要について載せておきます。(テイラー氏も追記しました)

イエレン氏

ハト派。トランプ大統領が推している金融規制緩和、すなわちボルカールールの撤廃には反対の立場で、2017年10月13日にFRB副議長辞任予定のフィッシャー氏と同じ考え方で政策を行ってきましたので、金融規制緩和に反対して辞任する意向を示した(と思われます)フィーシャー氏に続く可能性があります。また、2017年8月のジャクソンホール会議では、トランプ大統領の保護主義に各中央銀行総裁とともに懸念を示し、政治に口出しするという珍しいこともありましたので、有力候補となっていますが再任には疑問符がつきます。

一方で、再任となればトランプ大統領の意向に沿う可能性が高いです。金融規制緩和には反対の立場を継続したとしても、利上げにはより慎重になりやすそうです。トランプ大統領が低金利論者ですので。

影響

イエレン氏が再任となればこれまで通りの政策が持続されることから、相場への影響はあまりないとの観測がありますが、上記のことからよりハト派寄りになる可能性があり、利上げに後ろ向きになりやすいと思われますので、円高圧力には注意が必要だと思います。

ウォーシュ氏

タカ派。元FRB理事。金融引き締めには積極的。低金利には否定的で、過去、QEについても批判していました。トランプ政権の助言組織のメンバーを務め、トランプ一家とも交流があり、ムニューシン氏からも好感されているとされていますが、47歳という若さをトランプ氏が懸念しているとされており、新FRB議長に指名される可能性としては比較的低いのではないかと思います。

影響

ウォーシュ氏は金融引き締めには積極的で、利上げには前向きであるため、指名されればドル買いが進みやすくなり円安になりやすいと思います。ただし、株にとってはマイナス要因になりやすいと思いますので、株価下落からの円高も考えられます。また、QEも批判していましたので、景気後退してもQEをしたがらないのでは?との懸念があり、デフレのリスクは高まりやすそうに思います。加えて、バランスシート縮小の時期やペースも不明で、バランスシート縮小は早期にとも発言していましたので、ペースが早まる可能性も考えられます。3名の候補者の中では相場にとっては一番悪影響が出やすいのではないかと思います。

パウエル氏

QEにも賛成の立場であったため、これまでのイエレン氏の政策に添いやすいとされているのがパウエル氏。ただし、トランプ大統領が推している金融規制緩和に対するスタンスは不明。

影響

相場にとってはパウエル氏が一番影響が少ないとされています。これまでの政策に添いやすく、ボルカールールの撤廃には反対の立場ではないか?との観測もあるため、トランプ大統領の意向との兼ね合いでおそらく低金利路線になりやすいと思いますので、円高圧力には注意しておきたいです。

※2017年11月2日、トランプ氏から次期FRB議長の指名を受けてパウエル氏受託。その概要を以下にまとめておきました。

→ パウエル氏(次期FRB議長)はどんな人物?その概要

テイラー氏

テイラー氏も有力候補として取り沙汰されてきたので追記します。

タカ派。テイラー・ルールの提唱者。子ブッシュ政権時の財務次官。現状の政策金利は低すぎると指摘。トランプ大統領が推している金融規制緩和に対するスタンスは不明。ただし、トランプ氏との会談で、トランプ氏が次期FRB議長候補として高い評価をしたとの報じられたことから、トランプ氏の意向に添いやすい政策になるかも?

影響

テイラー氏が次期FRB議長となり、自身が提唱したテイラー・ルールをまともに適用するとなれば、FF金利の誘導目標が引上げられますので、米国の金利の上昇要因となり、日米金利差から円安に進みやすい考え方ができます。ただし、テイラー氏は米国の中立金利の低さからテイラールールを調整する柔軟な姿勢も見せています。ゆえに、一旦円安に振れたとしても行って来いになる可能性も考えられますし、米国が利上げへの警戒を強めて米国株が下落するなどすれば、それに引きずられる形での円高も考えられます。ただ、トランプ氏との会談でトランプ氏が好感したということですので、低金利路線の意向ではあると思いますので、金融市場への影響は限定的で、円安には進みにくいのではないかと思います。

まとめ

新FRB議長に誰が指名されるか、指名された場合の影響を恣意的にまとめてみましたが、加えて、現在のFRB理事が2人しか残らない可能性がある今後のFRB理事の人事も注目です。これまでの政策や政策金利見通しがガラッと変わる可能性が高いです。加えて、トランプ大統領の税制改革、12月に先延ばしされた債務上限問題も焦点になってくると思いますので、年末、そしてFRB理事がガラッと変わってFOMCの投票メンバーの見通しが変わるであろう2018年3月からのFOMCのスタンスも要注目です。

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