利下げ余地はあまりいらない?(物価水準目標などについて)

2018年8月27日2018年8月のマーケット動向と投資戦略

筆者
おはようございます。

今日は米国の利下げ余地の話を中心に。

本日の注目イベント&経済指標

物価水準目標

先週末のジャクソンホール会議(パウエルFRB議長)が注目されましたが、内容は以下です。

  • 2018年8月24日、パウエルFRB議長は、ジャクソンホール会議の講演で、力強い所得と雇用の成長が続くなら、政策金利の一段の緩やかな引き上げが適切になりそうだ、と述べる一方、物価上昇率は2%を超えて加速する明確な兆しは見えず、過熱するリスクの高まりもないと指摘し、利上げペースを速める考えがないことも示唆した。また、段階的な利上げによってFOMCが分析する中立的水準に近づいてきたとも指摘。物価の過熱リスクは小さいと指摘したことから、中立水準を超える過度な引き締めを回避する考えをにじませた。中立的とみる2.9%程度までは政策金利を緩やかに引き上げる考え。他方、利上げの停止時期を具体的に示唆するのは避けた。
    講演では、1970年代と90年代の米経済とFRBの対応が検証され、中立金利や自然失業率などが推定する水準から大きくずれる時があり、インフレ率が労働市場の逼迫を測る最適な指標でない可能性があると指摘。こうした不透明要因がある以上、慎重にことを進めるべきだとして、景気が強い中でも利上げは緩やかなペースにとどめる姿勢を示した。70年代の高インフレ時のFOMCは、不正確な自然失業率を重視しすぎ、上昇していたインフレ期待を軽視しすぎたとし、インフレ期待が落ち着くことが、金融政策の目標を達成するうえで重要な前提条件となるとした。一方、経済成長が続くなかでインフレ圧力が高まらなかった90年代については、FOMCはインフレ圧力が高まるのかどうか、次の会合まで利上げを待とうと慎重な姿勢を維持して政策の誤りを回避したと評価した。

長っ!ってことですが、何も出なかったなぁというのが印象です。上手くやってるなぁって見方もできると思いますが、パウエル氏はたいがい何も出ない印象です。今回、利上げペース加速させないことを示しましたので、株は好感で上昇の展開、筆者は早々に切らされた感じでした。NYダウは5日移動平均線抜けで、内容的にゴルディロックス継続の見方も出来ますし。ただ、筆者は基本的な見方は変わってないですけど。

それはいいとして、どちらかというとパウエル氏より、これからはウィリアムズ総裁(FOMC副議長)やクラリダ氏(FRB副議長)を見ておいた方がいいかもしれないです。ウィリアムズ総裁は物価水準目標を言いまくってる方で、22日公表のFOMC議事要旨では、FRBが将来の景気悪化時に備えて「潜在的にとり得る新たな政策手法を議論していく」としていましたので、おそらく2%の物価目標から「物価水準目標」に移行していくんだと思います。加えて、クラリダ氏っていうのが、テイラールールを発展させてる方で、物価水準目標とこれを合わせると、景気悪化時はFFレートは今の所2%程度で緩和効果があるとの試算もあるみたいです。筆者も聞いた話なんですけどね。その観点からすると、今、利上げはFOMCが見通してる2.9%っていう中立金利の水準で打ち止めで、景気後退時の利下げの余地がありまりないってのがよく言われますが、FFレートを2%程度の水準でキープしていれば緩和状態を作れますので、この辺の動きが今後のFOMCで出てくるのか注目だと思います。もしくは、パウエル氏は、「インフレはもはや最良の指針でないかもしれない」とも言ってますので、物価でなく別の指針、基準を持ってくるかもですが。

一方、今週、トルコとか気にしておきたいことがいくつかあって、それについて「株初心者のための株式投資と相場分析方法」の「今週の注目イベント&経済指標」のチェックポイントの欄で書いたので、そのコピペを入れておきます。

  • ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長がハト派的な見方を示したことで、利上げペースを速める懸念が後退し、米国株は上昇、金利は結果的にあまり動きませんでした。一方、ドルインデックスは下落の展開。

    その状況下、先週休場だったトルコ市場は見ておきたいです。新興国リスクが一旦薄まった形ですが、トルコ市場の動向によってはリスクオフの動きになる可能性があります。これまで円よりドルが強かったため、ドル円は111円台をキープしていましたが、ドルがさらに下落すれば、円買いは進みやすくなると予想できますので注意が必要だと思います。米中の事務レベルの協議も進展はなく、貿易戦争リスク、新興国リスクは何も変わってはいませんし。

    他方、米国の各連銀総裁の早期の利上げ停止を提唱する発言が目立ってきています。現在、FRBは中立金利を2.9%程度と見ていますが、現在の利上げペースなら19年中にその水準に達するため、19年の利上げ打ち切りを提唱する声が上がっています。それは、新興国には通貨安の不安が和らぐ一方、日本は円高リスクで出口は遠のきやすくなります。一方、利上げを継続すれば大型減税の効果が息切れする19年後半以降、米景気に下振れリスクが見えてきます。
    また、先週末の段階で、米国の2年債と10年債の利回り差が0.2%を割ってきており、順調に金利差は縮まってきています。イールドカーブはフラット化しても逆イールドになっても、すぐにどうこうという傾向はなく株高の傾向がありますが(今回どうかはわかりませんが)、一般的に景気後退の予兆として捉えられているため、金利動向見ながらだと思います。

    逆イールドになった場合の株価と景気・経済への影響

    怖いのは、米国債のショートが積み上がっている点です。もし、今後、市場で米国債への買いが優勢になった場合、空売り勢が一斉に損失覚悟の買い戻しを迫られてショック的な動きになりやすと思いますので、注意が必要だと思います。

さて、ドルインデックスですが、金利は結果的にあまり動きませんでしたが、ドルインデックスは再度95.06まで下がってきました。先週、ドルインデックスについては書きましたが、95抜けが否定の形になるかならないか、再度気にしておく所だと思います。94ミドル割れや、94割れがあれば一旦下見ると思いますので。その上で新興国リスク、貿易戦争リスクが出てくれば、円高パッと振れるかもしれないので。

一方、日経平均ですが、そろそろというか、そう遠くなくどちらかに抜けそうな形にはなってきてます。その話は「株初心者のための株式投資と相場分析方法」の「直近のテクニカル分析」の欄で書きましたので、以下にコピペしておきます。

テクニカル分析

日経平均株価 日足 (2018.8.26 更新)

[これまでの展開]
日経平均は、2017年9月からの上昇トレンド後に形成した2017年11月から12月末までの揉み合いの三角型レジスタンスライン(上側の緑線)を、通常のテクニカル分析通り、大発会に上へブレイクアウト。その後、2018年1月9日から揉み合いの形を作りましたが、その揉み合いを下にブレイクアウトし、2月初旬に米国株式市場が大幅下落したことから、2017年11月から12月末の三角型のサポートライン(下側の緑線)を下へブレイクアウト。

下へのブレイクアウトは、これまでの上昇トレンドの否定の形。下降する可能性が高い形です。価格が三角型にしっかり戻せない場合は、下降の力が強いことを示します。

2018年2月初旬に200日移動平均線(オレンジ線)まで下落し、その後、200日移動平均線をサポートとしつつ、割る局面もありましたが、200日移動平均線近辺というのは相場がもたつきやすく、また、一旦割っても、再度一旦戻しやすい傾向があることから傾向通り反発の展開。

そして、4月5日に1月・2月・3月の高値を結んだレジスタンスラインを上にブレイクアウトしてから5日移動平均線10日移動平均線をキープしながらジリ高で75日移動平均線100日移動平均線を上抜ける展開。しかし、その後揉み合いながら23000円の出来高の多い価格帯を明確に上抜けることが出来ずに下落。100日移動平均線と上向きの200日移動平均線がデッドクロスしましたが、200日移動平均線以下で価格がもたついた後、円安を好感し、再度200日移動平均線を上抜ける展開。
週足では、ボリンジャーバンドの中心線を基準に揉み合いの中での推移。スクイーズしてきており、エクスパンション待ち。52週移動平均線がサポートの展開。
月足では、ボリンジャーバンド+2σから+1σでの推移中で強い形は継続中(割れれば弱くなる)。MACDがシグナルとデッドクロスしたものの角度が出ていないため、今の所は信用に足らない。ただモメンタムも下向きに転じてきているため要警戒。

[先週の展開]
先週の日経平均は、薄商いの中、買戻しを中心に戻りの展開。保ち合いの水準での推移ですが、24日は陽線の大引け坊主で強い形で引けてます。

[今後の展開予想と戦略]
日経平均は、日足では三角持ち合いを形成してます。

三角持ち合い(三角保ち合い)

上記のリンク先のページでは、三角持ち合いのブレイクアウト時の値幅のメドや、移動平均線と一緒に見るの見方の解説、だましになった場合も書いてますので、是非参考にしてください。

この三角持ち合いである点と、200日移動平均線以下の移動平均線が収束してきています。横ばいで方向感ない所です。いずれこれは短期線から乖離していくと思いますが、まずは短期線が乖離した時にその方向についていくのが通常です。それでしっかりトレンドが出れば、週足でもボリンジャーバンドエクスパンションする可能性が高まると思いますし、そこで日足と週足のトレンドが揃う形になって強めのトレンドになりやすいのではないかと思います。

ゆえに、この三角持ち合いのブレイクアウトが起こった所は、一旦仕掛けのポイントになると思います。すなわち、三角持ち合いのサポートラインか上図の紫色の出来高の多い価格帯をブレイクアウトした所です。

他方、MACDがゼロライン近辺です。この状態から明確な陽線を付けてゼロラインを上抜けた場合は上方向、明確な陰線を付けてゼロラインに抑えられる形で下向けば下方向と見て、モメンタムもゼロライン近辺ですので、モメンタムが角度を付けて上昇・下降するかどうかも確認しながら、いずれくるであろうブレイクアウトの仕掛け時の判断に役立てるのがいいのではないかと思います。まぁそんなにシグナルが都合よく出てくれないとは思いますがトータルの判断で確率が高い方に仕掛けるのがベターだと思います。

その他、何か書き忘れたことや考え方の変更などあれば「投資戦略」のブログで書きますので、よかったらそちらも読んでください。