FRBがバランスシート縮小(保有資産縮小)を議論(3月FOMC議事録の内容を解説)

FRB(連邦準備制度理事会)は、2008年以降の量的緩和政策(QE)で買い入れた保有資産の縮小(バランスシートの縮小)について、2017年3月14-15日のFOMC(連邦公開市場委員会)で本格議論が初めて行われ、その議事録が2017年4月5日に公表されました(FRBバランスシート縮小の詳しい解説については、「FRB(FOMC)のバランスシート縮小とは」を参照してください)。

 

FOMC議事録の内容


3月のFOMC議事録では、FOMCメンバーの大半が政策金利の緩やかな引き上げ(利上げ)が続いた場合「再投資政策の変更は今年後半が適切」と判断する内容でした。

FRBは、現在、テーパリングによって国債の買い入れはやめていますが、償還がきたものに対しては再投資を行っています。ゆえに、FRBの国債の保有残高は維持されています。3月のFOMC後の声明でも、再投資政策の維持が述べられていましたが、2017年4月5日に公表された3月のFOMC議事録では、政策変更の時期や手法について詳しく議論された内容でした。FOMCメンバーの多くは、バランスシートの縮小は「緩やかに予測可能なやり方で行うべき」と主張しており、政策変更の際には、保有資産(保有債券)の再投資をやめるか規模を徐々に縮小するのが望ましいとの見解を示す内容でした。また、2017年3月14-15日の決定された0.25%の政策金利引き上げ(利上げ)については、経済が雇用の最大化と2%の物価上昇率というFOMCの目標に向け一段と前進していることから適切だったとする内容でした。さらに数人のFOMCメンバーは、現在の米国の株価が過熱感していると指摘するものでした。

FRBは、2008年以降の量的緩和政策(QE)で買い入れた保有資産(保有証券)が4.5兆ドル程度まで膨らんでいます。その多くが国債とエージェンシー債の債券で、償還されるとFRBのバランスシートが小さくなりますので、これまでそれを再投資して買い増していましたが、FRBは利回りが高い時に買っていたものが多いので、2018年に急増する償還で買い換えると、それが小さくなってしまうのでFRBの収益が減ってしまうという問題を抱えています。さらに、仮にトランプ大統領の政策によって今後金利が上がれば、債券の価格が下がってFRBは損失を抱えていくことになる問題もあります。ゆえに、利上げが軌道に乗れば、再投資をやめて資産を圧縮するとしてました。今回のFOMC議事録で、FOMCメンバーの大半が「再投資政策の変更は年内が適切」と判断し、保有資産の縮小(バランスシートの縮小)の方法などを今後詰めて公表する方針を確認するものでした。保有している債券を市場に直接売却すれば影響が大きいため、満期まで持ち切って徐々に償還する考えをFRBはすでに表明しており、再投資を一度にやめれば長期金利の上昇リスクを招くため、段階的に縮小する案も検討されています。現在、FRBは政策金利引き上げを行っている局面です。並行してバランスシートの縮小が開始されれば、ダブルで金融引き締めとなり、金融市場への影響が大きいと指摘されています。

 

 

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